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ドクダミママ至言

母業落第の果て:もっと早く知りたかった子育てへの答え

思い出にさようならを言いたいけれど

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ハロウィーンの飾りつけをした友人の家。

ハロウイーンが来ると思い出す。

子供たちのコスチュームを縫ったことを。

10月末は結構寒いのでコスチュームにはしっかり綿を入れたことを。

はしゃいでいる子供たちを横目に、

一針一針に自分の熱い思いを込めながら。

 

ハロウィーンが来ると思い出す。

夕方は危ないので、仕事の合間を縫って夫が付き添ってくれたことを。

そのため夫は仕事の遅れを取り戻すために夜遅くまで起きていたことを。

 

ハロウィーンが来ると思い出す。

ただ子供たちの幸せだけを考えていた時のことを。

そんなことを子供たちは覚えていない。

そんな親の心にも気がついてはいない。

 

親は過去の思い出にしがみついて生きている。

それとは反対に子供たちは今現在と未来に生きている。

 

その思い出があるから辛い。

いっそのこと全て消えてしまえばいいのに、とも思ったりする。

なぜ辛いか、それは思い出には感情が伴うからだ。

その時の感情は体の一つ一つの細胞が憶えている。

ハロウィーンが来るたびにあの時感じていた自分の心が蘇ってくる。

そして今の感情と混ざり合って複雑な気分にさせられるのだ。

 

断捨離

私は子供の物の断捨離をすることで子供の思い出を捨てようと思った。

けれどもアルバムも残っているし全部の物を処分することはできない。

それに結局、脳と細胞にしっかりと刻み込まれているこの思い出を消すことは記憶喪失にでも罹らない限りはできないのだと気がついた。

ガッカリ。

 

それなら完全に消すことは不可能でも、記憶をうっすらさせることはできるかもしれない。

実際それをやった人もいる。

 

夫の親戚でミッシェルという女性がいる。

娘が数年前に亡くなってしまった。原因はコカイン中毒。

ミッシェルの家族は裕福で子供たちもその娘以外は特に問題はなさそうだった。

娘を失い、彼女は廃人のようになってしまった。

来る日も来る日も泣き続け、何をする元気も消えたかのようだった。息をすることさえおっくうのようだった。

そして去年、ミッシェルの夫は妻のために大きな犠牲を払うことにした。

現在の地位を捨てて、おまけに収入は20%減少することを覚悟で転職することにしたのだ。家族で大陸の反対側に引っ越しをすることにした。

妻の心を癒すためには娘の思い出の残っている家にはもういられなかったからだ。

彼らは家と、町と、州と、ここでできた友人の断捨離をしたのだ。

新しい人生を生きるために過去のものに別れを告げたのだ。

 

私もここを出て遠くに行きたいと思うことが多い。

逃げてしまいたい。

どうせなら過去に行ったことのない外国にでも飛んで行きたい。

でもそれは今のところは不可能なので思い出のある家で辛い思いを我慢しながら生きている。

だから、思い出と決別できないでいる。

 それは苦しいのでどうしたらいいものかとずっと試行錯誤を続けている。

 

こんまりメソッドで対応

そういえば

こんまりさんは物を処分するときに「ありがとう」と言って処分するようにと薦めていた。

思い出にもこれができないだろうか。

子供との良い思い出に「ありがとう」。

子供との悪い思い出にも「ありがとう」。

そんな風に言えたら心が軽くなるように感じた。

 

だから実践してみることにした。

 

子供のために生きることが幸せだと一瞬でも感じる機会があったことに、ありがとう。

自分の欠点に気づかせてくれた子供たちに、ありがとう。

いたらない母を赦してくれた子供たちに、ありがとう。

愛とは何かを教えてくれた子供たちに、ありがとう。

こんなダメな母親をそのまま受け入れてくださる神様に、ありがとう。

子育ての意味を教えてくれたこの機会に、ありがとう。

そして、思い出にありがとう。

 

でもさようならをさせてください。

 

それは母の心が苦しいから。

心を解き放ち自由にさせるために、子離れをしないといけない。

わかっているけど

なかなか難しい。

それは思い出の方から去っていってくれないから。

それなら自分の方から去らないといけないのかも。

そして繰り返し自分の心にこの言葉を言い続けないといけない。

 

たとえ胸がチクリと痛くなっても言い続ける。

「ありがとう」と。

 

ドクダミママ至言

子離れは思い出からの断捨離でもある。

その時は「ありがとう」と言って思い出から去る。

すると胸がちくりと痛くなる。

それでも続ける。

時が解決してくれるまで。