親が子供に怒るのは愛情表現の表れ、とどこかで聞いた。
本当だろうか?
これが本当なら、激怒の度合いと愛情の深さは比例することになる。
つまり激しく怒られれば怒られるほど親の愛情を感じるという方程式になる。
でもわたしは子供の時に大人に怒られて愛されていると思ったことははっきり言ってない。
あなたもおそらく同じではないだろうか。
でも確かに親がその子供を思ってと言うのはあるかもしれない。
では、その「思い」とはどんな思いなのだろうか?
その子の将来を思って、という崇高な「思い」?
奥底の思いはそうかもしれない。
でも気がついていない隠れた心の動きも存在している。
それは「恐れ」である。
怒りは怒っている人の心の中の「恐れ」を表している。
つまり、怒りは自分を守るための自然なメカニズムなのだ。
では誰を守るのか?
それは親自身に他ならない。
例えば
子供が嘘をついたとする。
普通の親はとっさに焦る。
そして子供をしかり飛ばす。
とてつもなく大きな声をあげたりもする。
暴力が伴うこともある。
子供が勉強がよくできなかったとする。
ひどい試験の結果を見て親は逆上する。
勉強のできる子供は怒られる回数が少ない。
でもその反対の子供は怒られる回数が増える確率が高い。
それは「親」の心の中の「恐れ」の表れなのだ。
自分では気がついていなくとも
嘘つきが癖にでもなった時の事を想像して怖くなるのだ。
成績が悪くなり進学に影響し就職にも影響し我が子の将来が破滅するかもと最悪の事態を想像して怖くなるのだ。自分のようになって欲しくないから同じ歴史を繰り返す可能性のある我が子を見て怖くなるのだ。
自分が親として社会に顔向けできないという思いにかられ怖くなることもある。
それは親の心の安定や平穏を崩すことになる。
親は失った心の均衡感を取り戻すために、原因を作った子供に対して怒りを覚える。
子供は親の心の陣地に遠慮なく侵入し、戦いを挑んてくる「敵」とみなされる。
陣地に潜入して来た「敵」である子供は子供といえどやっつけないといけない。そうしないと自分が代わりにやられてしまう。
だから
子供に対して怒る=親の自己防衛
これに他ならない。
子供がわがままだったり大泣きを続けると親はイライラして思わず怒鳴ったりすることもある。これも親の自己防衛の表れである。
つまり
簡単にいうと、
子供に怒るのは
子供のせいではなく
親の根本的な心の問題にある、ということだ。
不安感の多い親は恐れも多い。
そういう親が怒りやすい。
子供が病気がちなら親はなお心配性になる。
心配性は恐怖と化し、恐怖は怒りにつながる(怒りが伴侶に向けられる事もある)。
心は知っている。
自分を守らなければ破滅してしまう、と。
だから自分の心の安定を揺るがす敵はやっつけないといけないのだ。
人間は自己を犠牲にして人のために生きることができると言われているが、
結局のところ、自分が一番可愛いのである。大切なのである。
子供が一番なら子供に大声をあげたりはしない。
手を出すなんてまずありえない。
自分のことを振り返ってみて、子供に怒った時は自分がすでに他の原因でイライラしていて不安であった時で、そんな時に子供がイライラ原因を上乗せしてくれた時が多い。つまり自分の心の中で勝手に色々妄想していた時である。はっきり言って子供とは全く関係がなかったのだ。
気がつくのに遅いということはない、と自分に言い聞かせ、過去を挽回するごとく今は常に自分の態度を振り返るようにしている。でもやっぱりもっと早くこの事実に気づいていればよかったと思う。
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ドクダミママ至言
これから、もし子供に怒ってしまったら、その時は自分の心の動きはどこから来るのか考えてみてください。それはきっと「恐れ」からかもしれません。あなたの心の中の「恐れ」とは何か、それは果たして恐れないといけないような事柄なのかよくよく考えてみてください。それをすることによって子供に対し怒る頻度が少なくなっていくことでしょう。そして心の均衡性を保つことができるようになります。保証できます。
ほんとに。一緒に頑張りましょう!