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ドクダミママ至言

母業落第の果て:もっと早く知りたかった子育てへの答え

大学生の息子が大学を辞めて起業したいと言い出したらどうするか

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うちのニャンタ。これが息子サイズなら怖いだろうな・・・。

「黙れ〜!」とか言いそう。😅

今回も、お悩み相談の回答をさせていただこうと思います。

 

はじめまして。 私は一人息子を持つシンママです。 現在大学3年21歳の一人息子が、大学を中退して起業したいと言い出しました。 否定せずに本人の話を聞きつつ、話し合いをしましたが、大学での勉強に意味を見出せず、辞めたい意思は固いようです。 勉強についていけず、留年しても卒業出来る気がしないのも理由のようです。 他にも色々言っていますが。 起業内容についても、集客してイベントを成功させるノウハウを企業に売るなどと、甘っちょろい内容です。 7月から起業セミナーみたいな所に通い、自己啓発本など購入しています。 奨学金は借りず私が負担しておりますので、全額返すと言っていますが、あてにはしていません。 私としても、やる気の無い人にこれ以上の時間とお金を費やすつもりは無いです。 生活態度もだらしなく、学生もしないで生活費も入れないやつを、家に置いておくつもりは無い為、一週間前に荷物をガレージに放って追い出しました。 それからお互い連絡は取っておりません。 どうやら友達の所にいるようです。 息子も真面目で優しいはずですが、頑固です。 社会の厳しさも自立の意味も、本人が経験しない事には、何を言っても分からないのだと思い、このような形としました。 他に良い方法はあるのでしょうか…?

 

なつ様へ

順番にお答えしたいと思います。

大学3年21歳の息子

お気づきにように、この年齢の子供は熱心に自分探しをしているのです。親とは別の自分らしい生き方を模索しいる年齢です。自分とは何か?人生の目的とは何か?などの答えの出ないような問いを自分に課す年頃でもあります。

また情熱的で理想に燃える年ですね。社会改革運動などもいつの時代もどこの国もこのくらいの年齢層が大多数のようです。そのことからも、頭でっかちで現実を見ないグループだとも言えるし、新しいことを怖がらずに開始する夢と希望で一杯の年齢層とも言えます。

息子というものは、「男の子」から「大人の男性」に脱皮するために母親を邪険に扱ったりすることは非常によくあることです。自立の過程のようです。だから、なつ様の意見を聞かないで自分の意見に固執するということは独立した人間である自分を認めて欲しいということと、大人の男性になるためのただの脱皮過程と見た方がいいと思います。

そういう成長段階にあるため、何を言っても母親の意見など頑固に拒否するはずです。

よって、こういう子供が家を追い出されても半分当然のことだと思います。

 

大学中退

これは住まいがどこによるかです。アメリカなら中退してもやり直しが効きます。

今まで取得した単位が全部消えることもないので、もし将来大学に戻りたい場合に問題はありません。大学の専攻も変えられます。

でもこれが日本なら問題です。ご存知の通り中退したらそれで取得した単位は消え、近い将来に大学を卒業していればよかった、と後悔したときに、途中から入れませんよね。受験からやり直しということだと思います。さらに、なつ様の今まで払った学費が無駄になるということでもあります。

かといってやる気のない息子さんを無理やりこのまま在学させることに疑問を持たれておられる気持ちも納得できます。当然更なる学費の無駄でもあります。

我が家の息子たちのうち二人は大学在学中に二人とも大学を中退したいと言っていました。

長男は中退してもプー太郎をやるだけのプランゼロだったので反対し無理やり卒業させました。本人は今となってはそれでよかったと言っています。次男は学業について行けなくそれでも必死に押して卒業させましたが、その結果はまだ出ていません。あの時本人の好きにさせればよかったかもと今となっては思う次第です。

でも息子さんはやりたいことがあるようなので中退も理解できるかもしれません。

問題は、勉強でやる気がないという理由です。

 

やる気がない理由
では、このやる気がない理由は何かについて考えてみたいと思います。

やる気が出ない理由その1:勉強についていけない。

勉強についていけない理由:その教科に適性がないか、努力が足らない→成績に影響する→もっとやる気がなくなる。

 

やる気がない理由その2:学習内容に興味が持てない→大学教育に意味を見いだせない→勉強しない→成績が悪くなる→もっとやる気がなくなる→教科や大学のせいにする→やる気の出る「情熱」を傾けることができるものを他に探そうとする→起業。

 

起業の本当の理由

これではどこから見ても「逃げ」に見えます。

大学が嫌だから起業するとします。でも起業しても難しい課題に直面する事は十分考えられます。その時に耐えて乗り越えることができるかどうか、すでに大学の学習で乗り越えられなく、他の道をすぐに考えるような人なら、起業して大変かもしれません。

 

なぜ今大学を中退しないといけないのか、卒業してからでも十分間に合うはずとなつ様も助言されたと察します。

勉強が面白くないというのもよく聞きます。確かにそれも一理あるでしょう。でも思うのですが、起業しても全てが面白いというわけでもないです。人生そんなワクワクするようなことで毎日が埋まっているわけではないですよね。スランプも当然あります。

 

もちろん、学校に向かない人というのもおられ、学校向きじゃあないけど社会向きという人もいます。斉藤一人さんのお母様が本人にそう言われていたそうですよ。

息子さんは社会向きですか?

社会で起業する人は既存の教科書なしで荒風に向かっていかないといけません。暗記とかペーパーを書くとかそういうのもないです。教科書は自分で作っていかないといけないのです。それには勇気とクリエイテイビテイが必要です。

もしかして息子さんはそういうタイプなのかもしれませんね。それなら辞めても成功する可能性はあるかもしれません。でも逃げなら無理ですよね。

 

イベントプランナー業界

なつ様の考えと同じで、このコロナの時代にこの業界に入っていくその勇気というか世間知らずに頭が下がります。すでにあるこの業界の競争相手が生き延びりに大変な思いをしているというのに右も左もわからない経験のない新人が入ってきて成功する確率はどのくらいなのでしょうか?

もちろん若いから怖いものがないという利点があり、若いから新しいアイデアもたくさんあるという利点もあるでしょう。またすでにコネクションがあるのならできるかもしれません。

もしお住まいが海外ならやらせてみたらどうでしょうか(コロナ収束の後に)。

日本がお住まいなら、どうでしょうか。

いずれにせよ、プランBが必要かと思います。うまくいかなかった時にどうやって食べていくのか?と本人は考えているのでしょうか?

うまくいかなければ、実家に逆戻りだと思います。でもその時にそれなりの就職が見つかるかどうか、それがなつ様の懸念していることだと思います。

 

若くして起業する人

起業するという夢は素晴らしと思います。我が子ならお金は出せませんが応援するでしょう。

でもなぜ大学を辞めないといけないのかがわかりません。

大学に行きながら起業した人は世の中に結構います。

 

例えば、有名なところでは、

マイクロソフトのビル・ゲーツ氏とポール・アレン氏。

フェースブックのマーク・ズッカーバーグ氏。

ヤフーのジェリー・ヤング氏とデヴィッド・ファイロ氏。

Redditのステイーブ・ホフマン氏とアレクシス・オハニアン氏。

ワードプレスのラリー・ページ氏とサーゲイ・ブリン氏。

タイムマガジンのブリトン・ハデント氏。

ネップスターのショーン・ファニング氏。

デルのマイケル・デル氏。

トライポッドのボー・ピーボデー氏及びブレット・ハーシイ氏。

 

この中で仕事が忙しくなって大学を辞めた人もいます。

例えばビル・ゲーツ氏はハーバード大学に在学していましたが、学業と仕事の両立がうまくできずに中退しました。

つまり起業する前に辞めたのではなく始めてから辞めたのです。

 

知り合いの息子さんで大学は1年で中退し会社経営の道を歩んだケースがあります。19歳で社長です。

実は仕事は高校生の時からしており、大学に入りましたが教授より頭がよく、勉強に馬鹿らしさを感じ(全部すでに知っていることだったとか)、ついて行けなかったとか怠けていて成績がかんばしくなかったわけではなかったようです。彼は、結局自分の本当にしたいことをするために中退しました。親はショックで大変だったようですでが、現在成功しているようです。

要するに、開始もしていないのに大学を辞めるケースはあることにはありますが身近ではあまり見ていません。

自分の弟も起業家ですが、最初は細々とやっていただけでもちろん大学にも行っていました。

別に社長になるのに大学教育が必要というわけではありません。でも弟は後で絶対後悔するのが見えていたのでものすごく大変だったようですが、一応卒業しました。

 

こういう例があることから、

なんとなくなつ様の息子さんの起業希望の半分はやっぱり現状からの逃げかな、と見えて仕方がありません。

 

本人が大学のカウンセラーとかに相談されたらどうでしょうか?

 

それでも助けたいなら

どんなに突き放しても親はいつになっても親ですよね。頭に来ても我が子のことが頭から離れないのではないでしょうか?本当に心配は消えないものです。

もしまだ他にできることが残っているとするなら、

それは

他の人から応援をもらうことだと思います。

その他の人とは、イベントプランナー業界で既に仕事をされている人。

親戚で息子さんをよく知っている人などで息子さんの幸せを思ってくれている人。

などです。

 

でもこの助っ人は男性でないとダメです。

また本人が尊敬している人でないとダメだと思います。

 

是非どなたか、男性の方でこの役目を引き受けてくださる方を探してください。

 

母にできること

この年齢で母親の出る幕はないでしょう。

母の怒りも涙もこの年齢の息子には届きません。

 

母ができることは、時々食事の差し入れをすることくらいです。

 

手を引くことは辛いことでしょう。同じケースではありませんが、自分にも母親の意見などなんとも思っていない(どころか毛嫌いしている)息子がおりますのでお気持ちは痛いほどわかります。

母親の方から見るなら、これは「裏切り」であり「無礼」でもあります。でも子供の方から見るならただの「独立宣言」なのでしょう。だから親は独立自立を阻む「邪魔者」で、つまり「敵」と子供の目には映ります。親は「味方」のつもりですが。

このような見解の違いと立場の違いのため意見の衝突は避けられず統一見解に至ることはかなり難しいと思います。

 

とにかく男性の方で息子さんにアドバイスをくださる方を探してみてください。

それでも息子さんの意志が強固で彼の決断を変えることができないなら、または調整することも不可能なら、お辛いとは思いますが、本人の成長過程をただ見守ってあげてください。

 

また彼が自分のやり方で人生を切り開いていこうとしているその勇気はどんなにバカらしく見えても認めてあげてください。いつの世もこれが逆らえない男性の生き方のようです。足跡の見えない道を手探りで歩もうとしているのです。だから危なっかしいとは思いますが、自分で経験して学ぶしかないのなら、親は両目をつぶって本人に任せるしか道はありません。

一般的に人の歩まない道は真っ暗でイバラだらけの道です。リスク型の人生です。だから転ぶことも十分あり得ます。迷子にもなるでしょう。またいつ安全な道にたどり着けるかもわかりません。でもそんなリスクの高い道を歩きたいと望んだのも息子さんですから、親はその道をなるべく見ないようにして子供に任せるしかないのかもしれません。見ると親は不安になってくるのです。

 

シングルマザーでお子様がお一人ということはなつ様がどんなお気持ちで息子さんをこれまで一生懸命育ててこられたか、その心中を思うとこんなアドバイスは冷たく聞くに耐えないでしょう。

それでもこれが私からの心からのアドバイスです。

親にとって我が子が苦しむ姿は嫌なものです。特に母親にとって我が子の苦しみや不幸は自分の不幸と同じだからです。私たちは男親のように切り離して考えることが苦手で努力も並大抵ではありません。

 

どこで育て方を間違えたのか、と多くの親が同じ問いを自分にしています。でも、それはなつ様のせいではありません。息子さんは自分の人生を構築するべく飛び立とうとしているだけなのです。

もちろん、親のやり方の方が賢明で安全です。でもたとえ危険を冒しても自分のやり方でやりたい人もいます。それが頑固な人と定義できるかもしれません。他の見方では「男らしい」とも捉えることができます。

それから今はこんな状態でも、ずっとそうとは限りません。事物は常に移り変わり同じ状態にあることはないです。だから親が考えつかないような方法で息子さんの人生が展開していくことも十分にあり得ます。それを期待するしか親が平穏に生きていく術はありません。

 

友達のところで居候中とのこと。冷静になって少しはなつ様の言われていたことを検討してくれるといいですね。

一緒にいると互いに「かっか」としてきますから顔が見えないくらいの方がいいと思います。

どのように転んでも、これは本人の人生でありなつ様の人生とは異なると自分に言い聞かせてください。でもなかなか難しいですよね。よくわかります。

親は子供の人生に介入したいですが、子供側は自分たちのやり方で生きたいので、彼らの決断を尊重するしかありません。

「最後にはどうにかなるものだ。そしていいことに、まだ最後には至っていない」とご自分にいつも言い聞かせるといいと思います。

 

なつ様の通られておられる試練は多くの親が通る試練でもあります。

気落ちせずに、仲間がたくさんいると思って頑張ってください。

現在はこんな状態でも息子さんもいつかはどうにかなりますよ。

それがいつかは誰もわかりません。でもそう信じましょう。

信じるしか親にできることはないのですから。